2025年版・後発事象セミナー

セミナー概要

日本の会計実務は今、「後発事象」をめぐって新たな局面を迎えています。企業会計基準委員会（ASBJ）が策定を進める後発事象に関する包括的な会計基準は、これまで実務慣行に委ねられてきた判断領域を整理し、初めて体系的に明文化しようとする試みです。

もっとも、ASBJ自身が明言するように、公開草案の目的はあくまで「現行実務の踏襲」です。換言すれば、現行実務を正確に理解していないほど、基準が最終化した後の対応に戸惑うことになります。

後発事象の難しさは、単に判断のタイミングや開示要否の問題にとどまりません。その本質は、会社法、金融商品取引法という２つの制度が十分に接続されていないことにあります。多くの企業では、こうした不整合を実務担当者の経験と「暗黙知」によって補ってきましたが、基準化の流れはその前提を根本から見直す契機となります。

本セミナーでは、現行実務の全体像を体系的に整理し、また、注記作成の実際を具体的に示します。また、公開草案の概要とその背後にある意図、さらには実務適用上の懸念点を取り上げることにより、基準化が企業実務に与える影響を検討します。

基準化という「転換点」を前に、後発事象への理解をいかに深め、どのように実務へ橋渡ししていくか。その指針を提示する場とします。

講義内容

１．後発事象の全体像を正しく捉える
　・後発事象対応が求められる背景と意義
　・会計事象の2分類と後発事象との関係
　・要性の考え方とその判断基準
　・発生時点を3タイプで捉える実務的アプローチ
　・どの時点まで検討を要するか

２．制度ごとに異なる実務対応を理解する
　・会社法（計算書類）における対応
　・金融商品取引法（財務諸表）における対応

３．注記作成を実践的に設計する
　・注記作成の準備
　・開示規則で個別開示が求められる事象への対応
　・臨時報告書提出が必要な事象への対応
　・その他の後発事象への対応

４．ASBJ基準案を読み解く
　・基準案の全体像と公表の背景
　・実務に影響する3つの提案ポイント
　・同時公表物の要点
　・企業が注視すべき懸念点と対応の方向性

（注）セミナー収録までの状況変化に応じて一部変更となる可能性があります。

受講対象者

・上場企業・非上場企業の経理・財務部門の責任者・担当者

・開示・IR担当者

・内部監査部門・監査役事務局

・法務・ガバナンス関連部署の担当者

・経営企画・CFO室などの経営層スタッフ

受講料〔1名様分〕

お申込みに際してご留意いただきたいこと

〇 受講料は、視聴開始日４営業日前までに別途ご案内する指定銀行口座にお振込みください。なお、視聴開始日４営業日前までにキャンセルの連絡がない場合は、お振込みいただいた受講料のご返金はいたしかねますのでご了承ください。

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〇 反社会的勢力と判明した場合には、Webゼミのご視聴をお断りいたします。

〇 講師と同業の方につきましては、お申込みをご遠慮いただいております。

〇 講義の録音・録画はご遠慮いただいております。

〇 プログラム内容等は、一部変更になることもございます。予めご了承いただきますようお願い申し上げます。

〇 天災事変やその他諸事情により、セミナーの中止・延期、申込期限前の締切等がございますので予めご了承ください。